夏本番を迎え、高温多湿の過ごしにくい日々が続いています。
この時期多くなるのが熱中症です。熱中症は、屋外だけでなく、約40%は室内で起こっています。
これから秋にかけて、まだまだ気温や湿度の高い日が続くため注意が必要です。
熱中症は気温25℃以上、室温28℃以上、湿度が高い状態で発症しやすくなります。
湿度が高いと体感温度は実際の温度よりも高く感じるため、それより低い温度でも起こります。
「熱中症」は、高温の環境下で生じる健康障害(体温上昇、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、倦怠感、意識障害など)の総称で、重症になると命を落とすこともあります。
熱中症の大きな要因は脱水症です。
脱水症を予防することが熱中症の予防に繋がります。
「脱水症」は、体内の水分が足りない状態のことをいい、子供から高齢者まで、あらゆる世代の方に起こります。
その中でも特に、高齢者の発症リスクが高いと言われています。
高齢者は、なぜ脱水症になりやすいのでしょうか。
人間の体は、その約60~70%が水分で構成されています。
体内で最も多く水分を含んでいるのは筋肉です。
筋肉は、水分の貯水池と言われており約75%が水分で出来ていますが、加齢とともに減少します。
そのため「高齢者は筋肉量が少ない=体内の水分量が少ない=脱水症になりやすい」のです。
数年に及んだコロナ感染症の流行による外出自粛も、高齢者の体力低下(筋力低下)に拍車をかける要因の1つと考えられます。
高齢者の「熱中症・脱水症」を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。
①こまめな水分補給
・・・加齢に伴い、のどの渇きを感じにくく水分を摂るのが遅れがちになります。
なかには、トイレが近くなることを嫌い、水分摂取を控える方がいます。水分摂取控えは脱水だけでなく、膀胱炎や尿路感染症、脳梗塞などの発症リスクも高めてしまいます。
のどが渇く前に、こまめな水分摂取を心がけましょう。
②温度・湿度管理
・・・温度や湿度を適切に保つことも大切です。
自宅の中ではエアコンや扇風機を利用し、風通しを良くしましょう。
また、通気性の良い服を選び、外出時には日傘や帽子の着用をお勧めします。
③栄養をしっかり摂る
・・・夏は暑さのため食欲が低下しがちです。
栄養が不足すると、体力の低下や免疫力の低下を招きます。
バランスの良い食事を摂るよう心がけましょう。
なかでも、筋肉維持のためにはタンパク質(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品など)をしっかり摂ることが大切です。
④日頃からの体力づくり
・・・水分の貯水池である筋肉を減らさず維持できるよう、日頃からの体力づくりが大切です。
小雀町内会館やケアプラザでも多数の体操教室や健康講座などを行っています。
それらに参加し、体力づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。
詳細はお問い合わせ下さい。
熱中症や脱水症になってしまった時には、適切な処置を行うことが重要です。
涼しい場所に移動し、衣服を緩め大きな血管(頸の周り、腋の下、足の付け根)を冷やして水分摂取をしましょう。
自力での水分摂取が困難な場合や、しばらく休んでも状態が良くならない場合は受診しましょう。
自分で受診するのが難しい時は、迷わず救急車を呼びましょう。
救急車を呼ぶかどうか迷った時は、救急相談窓口「#7119」に連絡し相談して下さい。
今月は、地域包括支援センター看護師の土井が担当させて頂きました。
ケアプラザは日常生活の送りづらさを感じた方が、最初に相談する場所です。
高齢者や障がい者、子育ての事で何か疑問を感じたら相談する所と覚えて下さい。
「何かあったらケアプラザ」 ☏:045-854-2291