「減災行動のススメ」①
私たちの生活を脅かす災害。
その中でも最大の脅威はやはり地震でしょう。
「小雀だより」では、地震による災害を軽減するため、再びシリーズを組むことにしました。
このシリーズは平成24年11月号から約1年間掲載した記事を、新情報を入れ再編成して載せます。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、東北・関東地方を中心に未曾有の被害をもたらしました。
日本付近は、4つのプレートの境界にあたります。
このため、大きな被害を伴う大地震が繰り返し発生しています。
地震は日本に住んでいる限り避けることのできない、いわば宿命的な災害です。
「大地震が起きた!」その時に良い対処の方法を知っているか、そのための準備が日頃からできているかどうかにより、地震によって受ける被害に大きな違いがでてきます。
では、地震対策は何からすればいいのでしょうか?
実際の時間の流れに沿って考えてみましょう。
★まずは、地震が起きる前に、やらなければいけないことを知り、備えをしっかりとしておくこと。
★次に、実際に地震が起きた時の対処方法を知っておくこと。
★そして、地震が起きた後の対応を知り、適切に行動することです。
その時のキーワードになるのが「減災」です。
このシリーズでは、地震対策のそれぞれの段階における、減災のヒント、ポイントを示しています。
皆さんの減災行動の参考にしてください。
減災行動とは…災害による被害をできるだけ小さくするための取組です。
「関東大震災」「阪神・淡路大震災」「東日本大震災」の三つの大震災の特徴は何だったのか、また、そこから得られた教訓は何だったのでしょうか?
関東大震災
大正12年9月1日11時58分発生M7.9
死者・行方不明者約10万人
キーワードは……「火災」
死者の約8割が地震後に発生した火災が原因であったといわれています。
これは、地震が起こった時間が昼時であったため昼食の準備に多くの家庭で火が使用されていたこと、加えて地震当時、強風が吹いていたことなどから火災による被害が拡大しました。
阪神・淡路大震災
平成7年1月17日5時46分発生M7.3
死者・行方不明者約6,400人
キーワードは……「倒壊」
死者の約8割が建物の倒壊や家具の転倒による圧死や窒息死であったといわれています。
これは、地震が起こった時間が早朝で、就寝中の家庭が多かったために、身を守ることができず、建物や家具の下敷きになってしまったと考えられます。
また、古い耐震基準の住宅では、被害が大きくなりました。
東日本大震災
平成23年3月11日14時46分発生M9.0
死者・行方不明者約2万人
キーワードは……「津波」
地震発生から32分後に岩手県大船渡市の沿岸に8メートルを超える大津波が到達するなど東日本の太平洋岸で、津波により多くの死者・行方不明者が出ました。
大震災の教訓と減災行動それぞれの段階で、適切な行動をとることによって、災害による被害を小さくすることができます。
小雀地域での減災対策のポイントは?
☆古い住宅(昭和56年5月以前に着工) の耐震化
☆室内の家具類の固定(特に寝室)
☆感震ブレーカーの取り付け
☆自動消火機能付きの器具(コンロ・ストーブ等)
☆3日分以上の水・食料の備蓄
と考えられます。
次回は、具体例として家屋の耐震診断・家具類の転倒防止・火災発生予防について考えてみます。